令和5年5月議会本会議一般質問においてインバウンド需要を狙った映画ロケの誘致について質問した。コンテンツツーリズムといわれるほど映画やドラマ、アニメのロケ地は聖地といわれ多くの観光客が訪れるスポットになっているのは周知の話、神戸では全国でも早い段階でフィルムコミッションを立ち上げ、これまでにも多くの撮影が行われていた。その割には聖地といわれるものが少なくうまくいかせてないように思える、またスラムダンクの聖地として有名な湘南のように世界各地から誘客をおこなうためにも、世界的なドラマや映画のロケを誘致すべきだと言える。
映画ロケによる経済効果について発表があり令和5年度には直接経済効果として4億円があったとのこと、直接とはつまり、撮影隊の滞在費や食事代等によるものである、これに加え、ロケ地巡礼などの効果が加わると更に経済効果が得られると言える。
「令和5年度 神戸へのロケ誘致で直接経済効果4億円」
参考資料 神戸観光局 プレスリリース
ロケ地マップ公開
神戸フィルムオフィスは作品名、出演者名からロケ地を検索できるサイトを作成、また、ロケ地マップを公開した
以下一般質問議事録
インバウンド需要回復を見込んだ観光戦略について
コロナ禍が落ち着き、インバウンド需要の回復が期待されるなか、大阪・関西万博や神戸空港の国際化を見据えながら、海外観光客を取り込むためのコンテンツの充実が急がれている。神戸市では、神戸フィルムオフィスが、神戸市を舞台に製作される映画やドラマなどの誘致に力を入れていますが、海外映画のロケはまだ少ないと感じています。一方で、「和」の風景を撮るために、日本では規制多いことなどから、適地が見つからず、中国や台湾などアジアでロケをしているケースがあると聞いています。神戸市にある海や山、旧居留地などの様々な「顔」を活かし、ロケ地として海外映画の誘致を進めることで、海外観光客の呼び込みにも寄与すると考えるが、見解をお伺いします
副市長
まず最初に、インバウンド需要回復を見込んだ観光戦略、特に海外映画の誘致を進めることで、海外観光客の呼び込みを行ってはどうかという点でございます。
神戸市では、全国に先駆けまして映像プロジェクト誘致に着目をいたしまして、平成12年に神戸フィルムオフィスを設立をいたしまして、令和4年度末までに3,598件の映画、ドラマ、テレビ番組、CM等の撮影が実現をしているところでございます。
海外作品を含めた映像作品のロケ地誘致を行うことは、その作品のファンがロケ地を訪れることになるなど、観光誘客につながるコンテンツの1つであるというふうに考えているところでございます。
ただ、海外映像作品のロケを誘致する場合に、この宿泊や飲食はもちろんのこと、必要資材を現地調達をされますことから、大変大きな経済効果が生まれるわけでございます。一方で、そのために多くの国では積極的にこのロケ誘致策が導入されておりまして、ロケ誘致の国際競争が展開をされていると、そういうような状況でございます。
そのような中で、NPO法人ジャパン・フィルムコミッションが国の実証実験としての補助金を活用いたしまして、海外作品誘致を行いました中国映画「唐人街探偵 東京MISSION」―― これは2021年に公開された映画でございますけれども、そういったものにつきましては、神戸をはじめ、全国で撮影されておりまして、ロケ地となったフィルムコミッションが連携をし、日・英・中の多言語ロケ地マップを作成し、全国で配布するといったこともやらせていただいているところでございます。
ただ、この日本の補助金でございますけれども、あくまでも実証事業として実施されたもので、現在、国として制度化された予算はないというような状況でございます。海外映像作品のロケ誘致には、ロケーションのみならず、作品制作補助などで億単位の多額なインセンティブや、大規模なオープンセットが必要であるということが言われてございまして、諸外国が国策として多額の予算を投じているため、現状では我が国は海外作品のロケ誘致に十分つながっていないと、そういうような状況だというふうに思っているところでございます。
海外映像作品の誘致につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、億単位のインセンティブ等が必要でございまして、神戸市単独では行うのは難しいというふうに考えているところでございます。
一方で、国内映像作品につきましては、海外で上映され、現地で話題になる作品もありますため、引き続き神戸フィルムオフィスが中心となり、国内映像作品のロケ地誘致を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
インバウンド需要について質問させていただきます。
神戸市では、最近話題となっている「すずめの戸締り」という映画をはじめ、これまで多くの映画の撮影があったと先ほどありましたけども、その多くある中で、なかなかこれが知られていないというのが実情ではないでしょうか。ロケ地巡り、聖地巡礼といったコンテンツツーリズムというのが、今、全国で話題になっておりますが、神戸市でも、もっとここを強くアピールするべきではないかと考えておりますが、見解をお伺いします。
副市長
今、御指摘をいただきましたロケ地巡りや聖地巡礼といったコンテンツのツーリズムが、映画やドラマのロケ地を訪ね、その地域のファンになることにより、持続的な観光振興の取組につながるものだというふうに考えてございます。神戸市をロケ地にした映像作品も多数ありまして、それを活用した観光誘客にも取組をさせてただいているところでございます。
これまでの取組を少し御紹介をしますと、これまで本市でロケを行われ、公開された作品につきまして、神戸観光局がSNS等を活用したウエブプロモーションを図りますとともに、民間団体や交通機関、企業等とタイアップした観光プロモーションやロケ地マップの作製、そして、撮影で使用した施設での写真展などを開催をさせていただいているところでございます。現在公開され、大変なヒットをしております「すずめの戸締り」におきましては、新海 誠監督が本市で舞台挨拶を行った際に、神戸を作中に取り上げた経緯などをお話をいただきまして、その内容も各メディアに取り上げていただいたところでございます。さらに、神戸観光局の働きかけによりまして、映画にも登場いたしますJR新神戸駅の構内において、映画の立体パネルやポスターの掲示を行うことによって、SNSでも多くの発信がなされたという事例もございます。
また、ロケ地を活用したツアー造成にも取り組んでございまして、この1月に、これまで案内したことがないロケ地や、ふだんは一般公開されていないロケ地などをバスで巡るツアーを試行的に開催をさせていただきましたところ、135人の定員に対し3,000名近くの申込みがありますなど、ロケ地巡りの需要の高さを改めて認識をしたところでございます。引き続き、神戸で撮影された作品について、積極的にプロモーションを図り、ロケ地巡りなどが生まれる仕掛けというものをうまく施して、観光誘客に努めてまいりたいと考えてございます。
のまち
ありがとうございます。ぜひとも今後とも積極的にやっていただきまして、特に海外のお客様に楽しんでいただけるようなイベントというのもやっていただければと思います。
続きまして、コンテンツツーリズムでありますけども、この神戸の有名な場所だけではなくて、今、あまり知られていないような場所というのも多くあると思います。そういうふうな場所を積極的にアピールすることにおいて、地域が注目を浴びること、また自ら地域を愛着を増すことができると考えております。神戸市では、ロケ地の誘致やPRだけにとどまらず、地域活性化を見据えた観光施策として、コンテンツの付加価値を磨いていくべきであると思います。こちらは先ほどと同じですので、要望とさせていただきます。
続きまして、原議員から先ほどありましたとおり、登山というのが非常に神戸はこれから魅力的な観光資源になっていくものだと思います。ほぼ先ほど回答されていましたので、ほぼほぼ内容は重なるんで、ちょっと違うところへ行きますと、クルーズ船ですね。特に船で来られたお客様というのが、1週間、2週間、海で過ごされてきて、神戸に来られるということで、非常にこの登山というのが魅力的に映るのではないかと私は思います。香港とかでは結構この登山というのが人気あるというふうに聞いております。日本でもなかなかこの港を出て、もう10分、15分で登山ができる場所というのは、日本にはもう神戸しかないと思いますので、ぜひともクルーズ船に来るお客様、海外のお客さんに向けて、もっとアピールしてはどうかと思います。
併せて、神戸は靴のまちですし、登山靴を売っている会社というのもあります。これをぜひお土産にしたりとか、あと、外国人向けの通訳のガイドというのも非常に必要になります。これ地場産業の活性化、雇用の創出につながると思いますので、こちらのほうをぜひ率先していただきたいと思いますけど、見解をお伺いいたします。
副市長
今言われましたクルーズで来られるお客様に山を楽しんでいただくという視点も大変重要な視点だというふうに思ってございます。神戸は海と山が本当に近接をしているということが特徴でございますので、そういった誘導ができるように、私どもとしてもできるだけ努力をしてまいりたいというふうに思ってございます。
そしてまた、登山の支援拠点を新神戸に設けるという形になってございますけれども、そこではいろんな登山の方々の荷物をお預かりしたり、あるいは靴のレンタルをしたり、そして、初心者向けのツアーをつくったり、いろんなことをやらせていただくというふうに思ってございますけれども、その中でも、土産のことについても、そこで売れるスペースがまだあるかどうかというのはちょっと分かりませんけれども、できるだけ御紹介ができるような形にもやっていきたいというふうに思っているところでございます。
いずれにしても、この神戸が誇りますこの海と山、これを両方活用する形、特に登山についてはこれから積極的に、今、売っていっているところでございますので、登山道の整備も含めて、積極的に外国人の方に楽しんでいただけるように努めてまいりたいと考えてございます。
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