【令和7年3月一般質問】①市営地下鉄民営化と外郭団体の見直しについて

政策

市営地下鉄民営化

のまち

 人口減少や少子高齢化の進行により、全国で路線維持の困難におちいる鉄道会社が増えており、国内の民間鉄道会社では本業である鉄道運輸による売り上げは全体の40%を下回っている会社も多く、主に駅前に保有する不動産事業などにより、収益を確保している。一方で、市営地下鉄を運営する高速鉄道事業は、企業会計として独立採算が原則であります、今後を見据えると、運輸事業の収益のみで路線を維持することは困難ではないでしょうか。公共交通は通勤・通学輸送のみならず、快適な都市生活を営むうえで不可欠な都市の装置であり、今後持続的に経営していくために、現在、本市の外郭団体であるこうべ未来都市機構が行っている地下鉄沿線の商業施設の開発・運営事業と市営地下鉄事業を統合のうえ、民営化に踏み切るべきと考えますが、ご見解をお伺いします。

久元神戸市長

 民営化に関しましては、大阪市交通局が民営化されました。大阪市交通局では、平成15年度以降、経常黒字を計上しておりまして、平成22年度には累積欠損金が解消されたところです。その上で、大阪市交通局からOsaka Metroが事業を引き継ぎ、平成30年4月に民営化されたところです。
 大阪市と神戸市はかなり事情が異なっていると思います。大阪市のDID地区の・・人口集中地区の総面積に占める割合は99.6%と、非常に人口が密集しているところを効率的に運行できる、そういう条件が大阪の場合にはあります。神戸の場合には、郊外のニュータウン開発を行うために西神・山手線を敷設し、またインナー対策に対応するために海岸線を敷設したという経緯があります。
 このように、神戸市の市営地下鉄は、神戸市が主導するまちづくりと一体的に行ってきたところで、大阪市に比べまして相当輸送効率が悪いということは事実です。ですから、これに対応するためには、民営化という手法は極めて困難であろうかというふうに思います。
 その上で、市営地下鉄の事業を改善するためには、やはり沿線の需要喚起をしていく、輸送人員をいかに増やしていくのか、今、西神・山手線では駅前のリノベーションを進めておりまして、駅前近辺における民間投資を活発化させよう、さらに今後はニュータウンの活性化を行って、残念ながら沿線の人口減少が見られるのを、少しでもこれを食い止めていく、そういうやり方で市営地下鉄の経営改善を図っていくということが重要であろうかと思います。その上で、附帯事業として、こうべ未来都市機構が実施している地下鉄駅前の事業を高速鉄道事業会計に移管するといたしましても、収支が一部改善する可能性はありますけれども、むしろ事務の引継ぎに伴う人員やノウハウをどうしていくのかという問題など様々な課題がありますので、御指摘につきましては研究課題とさせていただきたいと存じます。

のまち

 現状、この認識ですと、市営地下鉄というのは市民の足、重要な役割を担っておる中で、現状維持を続けた結果、全国の公営鉄道の多くが経営難に陥っている状況があり、最終的に運賃の増であったりとか、本数が減るというところで、市民の負担の増大を招いた事例というのも多くあります。
 神戸市の地下鉄も確実に少子化が進んでおる中で、通学需要、これは確実に減っていきます。さらに、ライフスタイルの変化であったりとか、テレワークの普及により乗客の減少というのは構造的な問題というのが、これが見えている状態でありますので、現行の経営形態のままで維持可能なのかというのは、これは果たして大きな疑問が残るところであります。
 民営化による市民サービスへの影響懸念がありますが、むしろ今のままでは遅かれ早かれ運賃の値上げ、赤字の補塡などの税金投入が避けられない状況になっているのではないでしょうか。
 Osaka Metroの例を見れば明らかなように、民営化による柔軟な経営判断が可能になれば、商業施設の開発や広告収入の最大化など、新たな収益源を確保することができます。それによって、むしろ運賃の抑制やサービスの向上が可能になるはずです。
不動産市場という意味では、こうべ未来都市機構が沿線開発を担っている以上、地下鉄事業と一体化し、戦略的に資産を活用することこそ、リスクを最小化しながら収益を最大化する手段ではないでしょうか。むしろ鉄道事業と不動産開発が別々に運用されている現在のほうが経営の一貫性を欠き、効率性を損ねていると考えます。
 将来にとって最も持続可能な経営形態を見極めるべきでありますが、少なくとも地下鉄の経営安定化に向けた本格的議論を進めるため、例えば上下分離方式の導入であるとか、民間手法の活用について具体的な検討を始めるべきではないでしょうか。現場の問題を先送りしてはならないと思います。市長には、より踏み込んだ改革を求めたいと思いますが、何か御意見あればお願いします。

今西副市長

 今いろいろとるる問題点を言われましたけれども、インフラ系の事業、特に鉄道事業に関しましては、人口減少の中で先生が今言われたような問題も全国的に出てくるという可能性もあるところでございます。今後のインフラ系の事業の在り方ということについては、やはり人口動態、そしてまちの在り方、他都市の状況、そしてまた先進的な世界のいろんな国々の鉄道事業に関するやり方もありますので、そういったものを参考にしながら、まずは国レベルで御検討されるものだというふうに思っておりますけれども、そういった状況を私どももよく見て、見識を深めて対応ができるような体制は取っていきたいというふうに考えてございます。

のまち

 最後に、先ほど言ったように、鉄道と不動産のビジネスモデルを行っている民間鉄道の会社、またバス会社から、経験を有する人材を局長、副局長のポストに据えているわけですから、その強みを発揮し、行政の手法を踏襲するだけではなくて、民間の経営ノウハウを積極的に導入し、さらに経営の手腕にたけている人材を民間から投入するなどしていただきたいんですけども、御見解をお願いします。

久元神戸市長

 市役所の局長経験者が交通事業管理者、交通局長をやっていた時代から、民間の出身の城南局長に来ていただいてから、地下鉄だけではなくてバス事業も大きく変わったというふうに思います。また、副局長については、京都バス出身の副局長になっていただいておりまして、そういう鉄道事業・バス事業の専門的ノウハウというものが蓄積されてきました。同時に、民間鉄道事業者、あるいはOsaka Metroとは、経済条件、あるいは都市としての条件が大阪と神戸では全く違います。東京・大阪とかなり違うという状況の中で、御指摘があるような民間鉄道事業者のビジネスモデルというのが果たして神戸において成り立つのか、民営化をというものが新たな民間会社に対して資産・債務、これを引き継ぐことができるのか、Osaka Metroの場合にも先ほど申し上げましたような、ちょっと黒字が続いていたということが前提となって行われているわけですから、これを実現するということはまず不可能だろうというふうに思います。
 その上で、先ほど申し上げましたような交通局のガバナンス、あるいは仕事の仕方というのは大きく変わっていますから、やはり御指摘のような民間的発想というのはさらに入れることも必要だというふうに思います。
 交通事業管理者の御意見も聞きながら、交通局の人員あるいは人材の強化ということにつきましては、御指摘も踏まえながら検討させていただければというふうに思います。

神戸関空ベイシャトルについて

 こうべ未来都市機構が運航している「神戸-関空ベイ・シャトル」について、乗船客に対する駐車場の無料利用サービスが、先月末に終了しました。理由として、競争性を保ちながら事業を安定して継続するため、とされているが、そもそもベイ・シャトルは年間41万人の乗船客数を目標としているがこれまで平成27年の39万人強が最高でコロナ前の令和元年には36万人、令和5年度は26万人、今年度は31万とまだまだ改善をできていない状況です、昨年度は4億円近くの赤字を出しており、この度の無料利用サービスの終了によっても、収支は数千万円しか改善しないばかりか、乗降客数の減少も想定されている。そんな中、いよいよ4月から国際チャーター便の就航も予定されるなか、市民を関西国際空港に送るという一定の役割を終えていると考えるが、今後も本市が多額の赤字を背負ってまで維持する意義について、ご見解をお伺いします。

今西副市長

 こうべ未来都市機構が運行いたします神戸-関空ベイ・シャトルは、神戸空港と関西国際空港を最速・最短で結ぶ唯一の海上航路でありまして、鉄道やリムジンバスと並んで利便性の高いアクセスであるとともに、両空港の連携強化を担う重要な土地装置でございます。
 海上アクセス事業の収支につきましては、2015年度から2017年度にかけて乗船客数の増加などによりまして黒字基調でありました。2018年度以降は、燃料費の高騰やコロナ禍の影響もありまして厳しい状況でありましたけれども、現在は航空需要の回復に伴い、乗船客数も回復をしてきているところでございます。今後、関西経済の成長・発展に向け、関西全体の航空需要の拡大に取り組む中で、神戸空港と関西国際空港との連携はより一層重要になるものと認識をしているところでございます。そのため、両空港を最速・最短で結び、定時性が高いベイ・シャトルが相互の送客などで果たす役割はこれまで以上に大きくなるものと考えているところでございます。
 こういった開港・国際化ということも含めまして、こういった機会を確実に捉え、乗船客数の増加につなげることで収支についてもさらなる改善が図られるものというふうに考えているところでございます。  今後、神戸空港を含めた関西全体の航空需要の拡大に合わせ、ベイ・シャトルの高い利便性をPRし、乗船客数の増加を図ることで安定的な事業運営につなげてまいりたいと考えております。

のまち

今、アウトバウンドが少し減っているというところで、日本人の乗船客数が減っているというふうには聞いておりますけども、今後、円安が少し落ち着けばアウトバウンドも増えていくので、乗船客数が増えるというところは理解しております。
 先ほども言われたように、関西全体の利益と関空との関係というところであれば、神戸市が果たして持つ必要があるのかなというのを今回お聞きしてるんですけども、今回、駐車場が有料になるというところで、結構ネット上ではもう使うのやめようかなという意見も多く出てまして、かなり大きな影響が出る、直接関空に車を止めてしまったほうが安いというふうなこともありますので、少しそこは危惧しておりまして、関西空港とのやり取りとか、そういうところを考えるのであれば、神戸市が持つのではなくて、関西エアポートに出資していただいて、幾分か出資していただいて、そのほうがいいのかなと思うんですけども、そちらのほうはいかがでしょうか。

久元神戸市長

御提案については、可能性は全くないというふうに思います。

新神戸摩耶ロープウェイについて

  令和3年度より議論されてきた「六甲山・摩耶山の交通のあり方検討会」について、令和6年2月、意見をとりまとめた報告書が提出されました。報告書では、「新神戸駅と きくせい台をダイレクトに結ぶアクセス手段として、新たなロープウェーの整備が望まれる」とされており、今後の検討がなされるところであります。神戸市が昨年度行った摩耶山エリアの利活用検討に関するサウンディング調査において、5社からの参加があったことからも、当該エリアにポテンシャルを感じている事業者はあるため、運営主体については、市や外郭団体ではなく、民間事業者に摩耶山の再開発とあわせて新規ロープウェイの建設可否、摩耶ビューライン含め一体的に任せるべきだと考えますが、現在の検討状況及び運営の考え方について、ご見解をお伺いします。

今西副市長

 新たなロープウエーにつきましては、今、議員から御紹介いただきましたように、昨年2月に六甲山・摩耶山の交通のあり方検討会から布引ハーブ園山頂駅と掬星台をダイレクトで結ぶアクセス手段が必要として提案をいただいたものでございます。
 摩耶山のエリアの利活用検討に係るサウンディング調査も御紹介をいただきましたけれども、5者からは意見や提案をいただいておりまして、宿泊施設や温浴施設、展望デッキなど、民間事業者による摩耶山上エリアの利用に関するものでございまして、また事業者からは長期的な事業へ投資希望を検討する上で、新たなロープウエーを含めた山頂アクセスの手段が重要という意見をいただいているところでございます。
 掬星台周辺は、一方で、瀬戸内海国立公園の六甲地域に指定されておりますので、現在、国に相談を行いまして、新たなロープウエーの実現の可能性を検討させていただいているところでございます。来年度には、自然環境への影響を確認するため、現地の植生状況などを調査を行う予定とさせていただいてございます。現時点は、実現の可能性の検討の段階でありますことから、運営主体について決まっているものはfございませんけれども、六甲山・摩耶山の交通のあり方検討会の提案でも、中では民間事業者による運営というものが想定されているところでございます。
 来年度には、ロープウエー事業に実績のある民間事業者や、併せて利活用検討のサウンディングに参加した民間事業者などにもヒアリングを行うなど、事業性の面においても幅広く導入の可能性を検討する予定としているところでございます。こういった取組を通じて新たなロープウエーについて環境面と事業性などの観点から、実現可能性の検討を行ってまいりたいと考えてございます。

のまち

 検討会の資料を読みますと、建設費が大体90億円、年間経費で2億8,000万を想定してまして、建設後の30年間のB/Cでいくと厳しめで0.45、やわやわでいくと1.06というところで、これでようやく1を超えるかなというところで建設検討している、し始めたのかなというふうに考えるんですけれども、黒字になるんであれば、これは民間でやればいいわけですので、まさに阪急阪神ホールディングスが六甲山のケーブルカーをやっているわけですので、一帯、上のホテルを併せてやっているわけですので、そういう考え方で、あと近い将来、空飛ぶ車というのがもうすぐ始まるところですので、ロープウエーが本当に要るのかどうか、空飛ぶ車があればもうすぐ上まで行けちゃいますので、そういうのも含めて今後検討していただければと思います。

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