神戸市交通局から、2027年4月1日より市バス路線の見直しを行うとの案が示されました。神戸市バス公式サイト
今回の対象は「しあわせの村・ひよどり台エリア」と「灘・中央エリア」の2地域です。中央区では特に、HAT神戸、春日野道、新神戸、三宮、摩耶方面を走る路線が大きく変わります。
今回の見直しは、単純な「減便」の話ではありません。利用者の減少、運転士不足、燃料費などの上昇が続くなかで、限られた運転士と車両をどこに配置し、市バスネットワークをどう維持していくのかという、今後の神戸市バス全体にも関わる再編です。

なぜ今、市バスを再編するのか
神戸市交通局によると、市バス事業は震災前と比較して利用者が大きく減少しています。さらに、人口減少や少子高齢化、燃料費等の高騰に加え、全国的なバス運転士不足も深刻になっています。
交通局が今回打ち出している基本的な考え方は、「市バスは鉄道を補完するフィーダー交通としての役割を強める」というものです。
つまり、一つの住宅地から複数の駅や都心部まで長距離を走る路線をできるだけ整理し、住宅地 → 最寄り駅 → 鉄道という役割分担を強めていく方向です。

中央区で特に注目したい3つの変更

① 29系統と101系統を統合

現在の29系統(三宮駅ターミナル前~摩耶埠頭)と101系統(三宮駅ターミナル前~日赤病院前・第五突堤)を整理し、新29系統に集約します。
新29系統には「脇の浜まわり」「若菜通まわり」の2ルートを設定。朝ラッシュ時は「脇の浜まわり」を中心に、日中は2ルートを交互に運行する予定です。新29系統の運行規模は、現在の29系統と同程度とされています。
② 18系統は「新神戸駅」を経由しなくなります
現在の18系統は、三宮から新神戸駅、摩耶ケーブル下を経てJR六甲道まで運行しています。
これを新18系統(三宮~摩耶ケーブル下)と新180系統(摩耶ケーブル下~JR六甲道)に分割します。
大きな変更点は、新18系統が新神戸駅前を経由しなくなることです。新神戸駅周辺から18系統を利用されている方には影響が出るため、利用実態や代替交通について確認していく必要があります。
③ 2系統に「青谷川まわり」を新設
2系統では、これまでの「神戸高校前まわり」に加え、「青谷川まわり」が新設されます。
青谷川まわりは、野崎通3丁目~青谷川~五毛を経由し、日中は概ね60分間隔での運行を予定しています。
102系統は役割を分けて再編
現在の102系統については、北側を新180系統・新2系統へ、南側を新100系統へ再編します。
六甲道周辺では100系統と102系統の重複区間を整理し、新100系統へ集約。新100系統は、これまでの「神前町」経由から「灘小学校前」経由へ変更される予定です。
市バスの73%が赤字
交通局資料では、2025年度の市バス86路線のうち、黒字23路線、赤字63路線で、73%が赤字路線とされています。
また、震災前と比べ利用者は約51%減少、燃料価格は10年間で約51%上昇、市バス運転士のうち50歳以上が約6割とされています。
これは単純に「赤字だから路線を減らす」という話だけではありません。特に深刻なのは人の問題です。運転士が不足すれば、たとえ予算があってもバスを走らせることができません。
効率化だけでなく「実際に困る人がいないか」の確認が必要
市バスの経営を持続可能にするために、重複路線や利用の少ない区間を見直していく必要性はあります。一方、公共交通には採算性だけでは測れない役割もあります。
特に、高齢者、通院されている方、通勤・通学利用者、坂の多い地域にお住まいの方にとって、市バスは生活そのものに直結しています。
今回の見直しも、「路線全体として効率化できた」だけではなく、「具体的に誰の移動がどう変わるのか」を確認する必要があります。
私が確認していきたいこと
- HAT神戸:29系統・101系統統合後も、通勤・通学・通院の時間帯に十分な本数が確保されるのか。
- 新神戸:18系統の新神戸駅前経由廃止で、どの程度の利用者に影響が出るのか。代替交通は十分なのか。
- 乗り換え:フィーダー化で乗り換えが増えた結果、高齢者などの利便性が大きく低下しないか。
- 運行時間:一日あたりの本数だけでなく、利用が集中する時間帯に必要な便数が確保されるか。
- 再編効果:今回の再編で運転士数、車両数、運行経費が具体的にどの程度改善するのか。
まだ「確定」ではありません
今回示されているものは現時点では見直し案です。交通局は、市民からの有益な提案や市会での議論等を踏まえ、実施内容を変更する場合があるとしています。
今後の予定は、2026年10月に見直し案公表、2027年3月上旬頃に新ダイヤ・時刻表公表、2027年4月1日に見直し実施予定です。
市バスを「残すための再編」にできるか
人口減少、利用者減少、運転士不足、燃料費上昇という環境の中で、これまでと同じ形ですべての路線を維持することは難しくなっています。
だからこそ大切なのは、単純に路線を減らすのではなく、限られた人員・車両を組み替えながら、市民が必要とする移動手段をどう残していくのかという視点です。
今後、新しい時刻表や利用実績なども確認しながら、中央区の皆さんの生活への影響を見ていきます。
「この路線がなくなると困る」「この時間帯は残してほしい」「この経路なら使いやすくなる」といった具体的なご意見があれば、ぜひお寄せください。
出典:神戸市交通局「【令和9(2027)年4月】市バス路線の見直しについて」(2026年10月1日)
