神戸空港島の将来構想について質疑しました
― 神戸の成長を支える拠点として、幅広い可能性の検討を求めました ―
神戸空港島は、本市に残された数少ない大規模開発が可能なエリアであり、今後の神戸の都市戦略を左右する重要な拠点です。
現在、空港島中央部では「にぎわい空間」の創出が想定されていますが、私は、単に都心・三宮と同じような施設を誘致するのではなく、周辺エリアとの役割分担や連携を意識した将来構想が必要だと考えています。
そこで本会議では、神戸空港島の将来構想について質問しました。
他都市では空港と国際観光拠点を一体で検討
質問の中で紹介したのが、愛知県の動きです。
愛知県では、2026年2月25日に、中部国際空港周辺における統合型リゾート(IR)事業の実現可能性について民間から意見募集を開始し、**「MICEを核とした国際観光都市」**を目指す方向性を示しています。
神戸空港島においても、こうした他都市の先進事例を参考にしながら、たとえばIRを含む特色あるにぎわい施設の可能性を調査・検討し、都市ブランド力の向上や民間投資の誘発につなげるべきではないか、という問題意識から市の見解をただしました。
市長答弁
「様々な観点から幅広く検討していく」
久元市長からは、神戸空港島について次のような答弁がありました。
- 神戸空港島は、臨海部に残された貴重な土地であること
- 都心・三宮、ウォーターフロント、ポートアイランド2期などとの連携や役割分担を図りながら、戦略的に利活用を進める必要があること
- 2030年4月の国際定期便就航を見据え、空港島の将来構想を策定したいこと
- 空港関連企業に加え、にぎわい機能についても検討すること
- 議会での議論や意見も踏まえ、民間投資を誘発するような取組を幅広く検討していくこと
神戸空港島を神戸経済の成長に寄与するエリアとして位置づけ、今後しっかり検討していくという方向性が示されました。
私の再質問
神戸空港島は「総合的な都市課題の解決拠点」になり得る
私はこの答弁を受けて、神戸空港島を単なる「にぎわい空間」として捉えるのではなく、神戸が抱える複数の都市課題を一体的に解決できる拠点として考えるべきだと改めて指摘しました。
神戸には今後、
- MICE機能の強化・更新
- 宿泊機能の充実
- ナイトタイムエコノミーの推進
- 空港アクセスや島内インフラの強化
- 国際クルーズ客船ターミナルとの連携
といった課題があります。
神戸空港島は、空港・新幹線・都心部に近く、さらに神戸以西や瀬戸内方面への玄関口としてのポテンシャルも持っています。
また、神戸が強みとしてきた医療・ライフサイエンス分野を踏まえれば、医療系の国際会議など、神戸ならではのMICE機能を集積する可能性も十分あると考えています。
だからこそ、今後の将来構想では、個別の施設整備を積み上げるのではなく、民間投資をどう呼び込み、どのような事業スキームで実現していくのかという視点が重要だと訴えました。
副市長答弁
「IRは現時点では考えていない」
これに対し今西副市長は、
- 神戸空港島は高い付加価値を持つ貴重なエリアであること
- 神戸経済の成長に確実に寄与できる形を目指すこと
- ただし、IRについては、大阪府市がすでに整備計画の認定を受けていることから、神戸空港島での整備は現時点では考えていないこと
- 一方で、神戸空港島の将来構想についてはしっかり検討していくこと
を答弁しました。
さらに再質問
大阪IRと神戸は本当に競合するのか
私はさらに、大阪IRがあることを前提にしながらも、神戸と大阪は必ずしも同じ経済圏・同じ役割ではないという点を指摘しました。
大阪IRは関西観光の大きな拠点になると言われていますが、交通ネットワークや観光動線を考えると、京都・奈良方面との親和性が高い一方、神戸がどこまでその恩恵を受けられるのかは検討が必要です。
その点、神戸には
- 瀬戸内方面への玄関口としての立地
- 空港が近いこと
- 将来的な船舶アクセスの可能性
- 医療系国際会議など神戸独自のMICE需要
といった特徴があります。
大阪IRとは異なるタイプの機能を持つ施設を神戸で構想することで、競合ではなく、補完関係やすみ分けの可能性もあるのではないかという観点から、IRについても直ちに否定するのではなく、空港島活用の一つの政策オプションとして調査研究の対象になり得るのかを改めてただしました。
再度の市側答弁
「現時点では考えていないが、様々な観点から将来構想を検討」
これに対し副市長は、
- IR整備法では全国最大3か所とされていること
- 2027年5月から11月にかけて追加募集が予定されていることは承知していること
- しかし、近隣自治体である大阪ですでに認定されている状況を踏まえると、現時点で神戸空港島におけるIR施設整備は考えていないこと
- その一方で、神戸の成長の原動力となる神戸空港島の将来構想については、様々な観点を取り入れて検討していくこと
を答弁しました。
今回の質疑を通じて
今回の質疑では、神戸空港島について、市側から
- 将来構想を策定すること
- 民間投資の誘発を意識していること
- 幅広い観点から検討していくこと
が示されました。
一方で、IRについては現時点で考えていないという慎重な姿勢も明確になりました。
ただ私は、神戸空港島が神戸の将来を左右する貴重な政策資源である以上、
最初から可能性を狭めるのではなく、
- 神戸の強みは何か
- 大阪との役割分担をどう考えるか
- 神戸らしいMICEや観光機能とは何か
- それを実現するために、どのような民間投資を呼び込むのか
をしっかり議論していくべきだと考えています。
今後も、神戸空港島が神戸経済の成長を支える戦略拠点となるよう、引き続き議論を深めてまいります。
以下 質疑全文
のまち
まず空港島の将来構想についてお伺いします。
神戸空港島は、本市に残された数少ない大規模開発が可能なエリアであり、今後の神戸の都市戦略を左右する重要な拠点です。現状、空港島の中央部においては、にぎわい空間の創出を想定しているとのことですが、都心・三宮など内陸部と同様の施設を誘致するのではなく、周辺エリアとのすみ分けや連携を意識した将来構想の策定が必要となってくると考えます。
そのような中、他都市では空港と国際観光拠点を一体で捉える動きが進んでおり、愛知県は本年2月25日に中部国際空港周辺での統合型リゾート(IR)事業の実現可能性について、民間から意見募集を開始し、MICEを核とした国際観光都市を目指すとしています。
神戸空港島の将来構想においても、例えば統合型IRを核に、特色あるにぎわい施設誘致を調査・検討し、本市の都市ブランド力向上に資する民間投資の誘発につなげるべきと考えますが、見解をお伺いします。
久元市長
神戸空港島は、臨海部に残された貴重な土地でありまして、様々な都市機能の立地が進む都心・三宮やウオーターフロント、ポートアイランド2期などとの連携、また役割分担を図りながら、戦略的に利活用を進めていく必要があります。
2030年4月を目標とする国際定期便就航に向けた大きな方向性が見えてきたところでありまして、空港の利活用が進むのに合わせ、空港島のあるべき姿、目指すべき方向性につきまして検討し、空港島の将来構想の策定をしたいと考えております。
2030年から国際定期便が就航し、国内航空需要も増加している中、今後、空港がどのような成長を遂げていくのか、それを踏まえ、必要となる空港に関連する企業や、また御指摘いただきましたにぎわい機能につきましても検討をしていきたいと存じます。
検討に当たりましては、様々な事例を調査・研究するとともに、これまでの議会での議論や御意見なども踏まえ、空港島におきまして、市内の既存産業との連携が図られるとともに、相乗効果が発揮され、市内経済のさらなる飛躍に寄与する産業誘致や、民間投資を誘発するような取組など、様々な観点から幅広く検討を行っていきたいと存じます。
限られた土地につきまして付加価値を高め、神戸経済の成長に寄与するよう、しっかりと検討を行ってまいります。
のまち
まず空港島の件についてでありますが、様々な可能性という答弁がありました。その方向性は理解いたします。その上で、この空港島の単なるにぎわい空間と捉えるのではなくて、本市が抱える複数の都市課題を一体的にどう解していくかという視点が大事だと考えております。
本市においても、MICEの機能が先ほどもありましたけども、更新が必要だったりとか、宿泊機能の充実、ナイトタイムエコノミーの推進といった課題がある一方で、空港島そのものについては、アクセスや島内のインフラの強化、国際クルーズ客船のターミナルとの連携、面的に検討する課題があると考えます。
この神戸空港島は、空港、新幹線、都心部との近接性を保ち、さらにこの神戸以西、特に瀬戸内方面への広域的な玄関口となるポテンシャルを備えています。
加えて、本市が強みとしてきた医療・ライフサイエンス分野を踏まえれば、医療系の国際会議や専門性の高いMICE機能など、神戸らならではの特色を持った都市機能の集積も十分に考えられるところでございます。そうであるならば、今後、将来構想の検討に当たっては、個別の施設整備を積み上げる発想ではなく、こうした課題を総合的に受け止め、民間投資をどう呼び込み、どのような事業スキームで実現していくかという観点はより重要になると考えます。神戸空港島へIR誘致により、これらの課題へ総合的に対応し得ると考えます。
改めて、どのように民間投資を想定しているのか、また、将来構想検討に当たり、民間事業者、有識者、関係団体などの意見をどのように取り入れていこうと考えているのか、併せて見解をお願いします。
今西副市長
今、御指摘をいただきましたように、この空港島は大変貴重なエリアでございます。この高い付加価値を持って、神戸経済の成長に確実に寄与できるような形に持っていきたいというふうに考えているところでございます。
そのために、これから本格的にいろいろ検討させていただくところでございますけれども、御提案をいただきましたIRのことにつきましては、近隣自治体であります大阪府市が既にこの整備計画の申請をいたしまして、2023年4月に国から正式に認可を受けたというところでございます。やはり近隣自治体のところでもう既にIRが行われているということもございますので、神戸空港島におきましては、そのような施設整備というのは、現時点では考えていないところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、神戸の成長の原動力となるように、神戸空港島の将来構想をしっかりと検討させていただきたいと考えてございます。
のまち
大阪ができることは当然分かってて、この場で質問させていただいているんですけども、再三話されているように、大阪と神戸は経済圏が違うという話もありますし、ある学者の考えでは、日本のこの人口とか、海外の旅行者の数とか、そういうのを考えると、100か所ぐらいIRがあってもいいと言われている方もいらっしゃいます。
大阪のIR―― 夢洲のIRというのは、関西の観光の拠点になるというふうには言われていますけども、やはり鉄道路線がどっちかというと東向きに延びていることがありますので、今回、JRも延伸を検討しているという話もありました。それを考えると、やはり京都とか奈良方面の観光需要というのは取り込めるとは思うんですけど、なかなか神戸に実際に本当に来てもらえるかなというのは、これ考えるところでありまして、今後、その船のアクセスとか、そういうところで神戸のほうにお客さんを呼び込んでいくというのは考えられることではあるんですけども、先ほども言いましたように、神戸に置くことによって、瀬戸内方面、いわゆる西ゴールデンゲートですか、この拠点の入り口として、この空港が近いという利点もありますので、そこの拠点として、ちょっとできるかは分からないですけども、船の船着場も用意すれば、そのIRを拠点として、島を巡るというふうな、そういう拠点のつくりもできると思いますし、先ほども言いました神戸が得意とするMICEのいわゆる医療系の国際会議、そこもやっぱり大阪と一線を画するところでありますので、そういうふうな形で、いわゆる大阪のIRとは違うタイプのIR、こういうのを誘致できれば、非常に可能性が高いんじゃないかなと私は思っております。
当然このIR、カジノを含む、含まないありますけども、カジノを含むとなると、政治的な力も非常に必要になってきますし、なかなか難しいところもあるかと思いますけども、来年―― 2027年の5月から11月にかけて、観光庁が新しい申請を募集するタイミングでもあります。今から1年かけて、ぜひともこれを検討していただければと思うんですけども、この神戸空港島の将来構想を検討するに当たっては、このIRについて、すなわち、直ちに否定するものではなく、空港島の利活用に関する1つの政策オプションとして、必要な調査研究の対象になり得る、そのような理解でよいのか、見解をお伺いします。
今西副市長
今現在、総合型リゾート整備法では、このIRにつきまして、国内で最大3か所ということが規定をされているところでございます。
今、自治体からの申請を来年の5月から11月に受けるというような政令が先日、閣議決定されたことも承知をしているところでございます。
先ほど申し上げましたように、ただ、このIRにつきましては、近隣自治体のところで既に認定をされているという状況もございますので、現時点ではこの神戸空港島において、そような施設整備は考えていないところでございます。
ただ、この神戸の成長の原動力となる神戸空港島の将来構想というものは、しっかりと定めていかなければならないと考えておりますので、様々な観点を取り入れて検討させていただきたいと思ってございます。
のまち
非常に難しい答えだと思いますけども、何とぞよろしくお願いいたします。


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