
のまち
久元市長は、神戸市室内管弦楽団への補助金打ち切り方針を表明された3月13日の記者会見において、「財団としてこういう対応をするということを提出していただければ、その内容に応じてどう考えるかということ」「今、7割を4割に必ずしますということであれば、再考する余地はないわけではない」と明言しました。
そして、先日の経済港湾委員会においても、文化スポーツ局より同様の答弁がなされました。この点、市長は会見で「1,800人の新・大ホールでいつも500人しか入らないのでは困る」と述べられています。また先日の委員会においては、我が会派の原議員より、「神戸市文化振興財団から出された室内管弦楽団の運営に関する数々の改善提案を退けたのはなぜか?」との質問に対し、文化スポーツ局からは「あくまで大ホールを基準として評価したため、財団からの提案は打開策として不十分と判断した」旨の答弁がありました。すなわち、神戸市としては「新・大ホール」での集客率を基準として、室内管弦楽団の今後の経営を考えていることが明らかとなりました。
しかし、編成規模からして室内管弦楽団が、神戸市が求める1,800席の65%〜80%を充足されるというのは現実的ではなく、そもそも楽団の適正規模である「800席の音楽専用ホール」の整備計画を白紙撤回したのは市の政策判断です。財団の提案書には、将来的に約700席の「新・中ホール」を本拠地とすることを見据え、それまでの移行期間は室内管弦楽団の客層に適した「神戸朝日ホール(約500席)」等で着実に集客と顧客形成を行うという、理にかなったロードマップが示されていました。
神戸市は、新・大ホールという「ハード面」にこだわることなく、楽団の編成に合わせたホールをレジデントとする前提で、財団が提案する、新規顧客形成や資金調達等の専門家の理事への登用、チケット単価の見直し、民間支援の拡充、アウトリーチ事業の拡充といった改善案を、行政内部の議論で終わらせることなく、専門家の知見を取り入れながら検討すべきと考えますが、見解をお伺いします。
久元神戸市長
神戸市室内管弦楽団につきましては設置者である神戸市文化振興財団におきましてこれまでも集客の拡大や収支構造の改善につきまして見直しが進められています。2021年度からは、専門人材の活用による学団の質の向上や学団員報酬の見直しなど、経営改善が取り組まれてきたところです。しかしながら、現状を見ますと、来場者の収入の面では一定の改善は見られたものの、大幅な改善にはいたっておりません。
こうした状況を踏まえ、市としては昨年11月に新神戸文化ホールが開館する2028年を目標年次として、新大ホールの運営を前提とした数値目標を設定した上で、財団に改善の必要性を要請し、その後改善提案書の提出があって、協議を重ねてきたところです。提出されました業改善提案書につきましては、集客拡大や周知行動の改善に向けた方向性は示されておりましたけれども、提案内容の中心が大ホールではなく、財団の指定管理施設以外の新たな会場での顧客形成におかれていること、加えて、チケット価格改定に伴う顧客離れの影響が考慮されていないことなど、実効性や持続性の面で十分ではないと考えらました。
楽団におきましては、令和4年度以降、エキストラの活用等の編成調整を行い、神戸文化ホール大ホールでの定期演奏会を実施しておりますが、定期演奏会1回当たりの平均来場者数は、近年約560人程度にとどまっております。こうした状況を踏まえ、文化スポーツ局から補助金の有効性・効率性の観点から、楽団への預金を2027年度で終了する方針を示したものでありまして今後は設置者で財団において楽団の存続に関する判断が行われるものと承知しております。
神戸市は補助金の説明責任を負うべき立場にあります。そのような立場から財団から提出された改善提案書を踏まえ補助金支出の価値とその効果を勘案した判断でありまして引き続き、まずは財団の判断を尊重しながら、必要な情報共有や協議を行ってまいりたいと思います。
のまち
楽団としては中ホールを前提とした改善案であるが、1800人の大ホールを前提としているという答弁でした。 文化芸術はハードだけで作られるのでは無く、演奏家や聴衆といった「ソフト」があってこそ成り立ちます。40年続いてきた文化をどのように醸成していくのかを考えるのは公の責務でもあるといえます。「財団が考えること」と財団に押し付けるのでは無く、向き合いながら最善策を考えていくべきであります。 市は室内管弦楽団の補助金を打ち切る最大の理由として、「補助金に依存する割合が異常に高く、自立的な運営が困難であること」や「大ホールでの集客が十分でないこと」を挙げています。しかし、同じく神戸市民文化振興財団が運営し、市が補助金を支出している「神戸市混声合唱団」も室内管弦楽団と同程度の補助率とのことです。また市民還元の点で見てみると、室内管弦楽団の定期演奏会来場者は約7割が神戸市民である一方、混声合唱団の定期演奏会における市内在住者の割合は平均約5割弱にとどまっています。さらには、財務上は、混声合唱団よりも室内管弦楽団の方が財務面では優位にあるとのことです。久元市長は3月13日の会見において、室内管弦楽団の補助金を打ち切る一方で、混声合唱団の補助金を継続する理由を問われ、「全国的にも少ないプロフェッショナルな合唱団であり、神戸の文化的な独自性として評価されるべき」と発言されています。そこで神戸市は「文化的独自性」について、いかに考えているのか、そして新ホール開館に合わせて、どのような文化的独自性を発揮していこうとしているのか見解をお伺いします。
小松副市長
神戸混成合唱団につきましては日本でも数少ないプロフェッショナルの混成合唱団でありその存在自体に高い希少性を有していると考えてございます。
声楽アンサンブルとしての専門性は代替が困難であり全国的に見ましても同様の団体は限られていることから神戸の文化的独自性を支える重要な合唱団であると考え公共的に支える意義は大きいと判断したところでございます。
神戸市室内管弦楽団及び神戸市音声合唱団のいずれも定期演奏会以外にもアウトリーチや教育普及公演を通じた社会貢献など公共的役割を形してきた点は十分に認識しているところでございます。その点でどちらかの取り組みを軽視しているものではございません。一方でですね本年2月に策定しました外郭団体改革方針におきまして神戸市民文化振興財団に対して収益構造の改善に加え、市民還元や民間代替制の視点を踏まえた事業の見直しを求めているところでございます。室内管弦楽団につきましては、国内のプロオーケストラや地域の演奏団体、若手演奏家の活躍の場など、多様な代替可能性が存在し、自治体が直接支えてきた事業を見直す余地が相対的に大きいと判断したものでございます。
新神戸文化ホールの開館に向けましては、神戸市混成合唱団が有する専門性と独立性を生かし、神戸の文化的魅力を内外に発信する役割を担う存在として、より市民に支持される活動となるように、財団と密に連携しながら検討していく必要があると考えております。
のまち
文化的の独自性であれば、室内管弦楽団ど混声合唱団が合同でやっている、こちらのほうが珍しいのではないか
そういうのを含めて専門家含め議論していただきたいのですが
神戸新聞に音楽監督である鈴木秀美さんの印象深い言葉があったので紹介します。
「今、神戸市が断ち切ろうとしているのは、そのような継続を楽しもうとする市民の夢である。新ホールで何を聴こうというのか。有名オーケストラを呼んできても、それは神戸の文化ではない。オーケストラも文化も、代替などはできないものだ。」とのこと。
もしかしたら神戸市は新しい大ホールができた場合、国内外の有名オーケストラを招致して採算性を維持しようと考えているのかもしれない。しかしそのような事業は大阪でも京都でもやっています。
新しい神戸文化ホールのコンセプトは「新たな価値を創り出す芸術文化創造拠点」とのことであるが、神戸市は、40年続いた室内管弦楽団を終わらせた上で、新たな価値を作り出していくということなのでしょうか?
全国には、神戸市室内管弦楽団と同じような編成規模のオーケストラアンサンブル金沢や水戸室内管弦楽団など、それぞれの地域で「独自の文化性」を発揮しているオーケストラも存在しています。
行政内部だけで拙速に議論しても、場当たり的な判断にしかならない。文化政策には中長期的な展望が必要である。だからこそ、専門的知見も取り入れて、市民に対する透明性を高めていく、文化審議会の設置やアーツカウンシルの設置が必要である。


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